内容
なぜ「ウリ」が必要なのか
他院との差別化が重視されている理由に、医療業界の環境変化が挙げられます。コロナ禍を経て進む、患者減少、医療機関選別のシビア化、薬のセルフメディケーション化等についてお話いただきました。それを受けて、今後開業医が担うべき役割についても解説していただきました。また、多くの先生が見落としがちな患者さんに評価をもらうためのポイントや、開業時に意識するべきことについてお話しいただきました。
医療法人hi-mex最大のウリとは
医療法人hi-mexの最大のウリは「短期滞在手術」で、コロナ等で外来患者数が減っても、手術件数は伸び続けているそうです。短期滞在手術は開業時から取り組まれたそうですが、手術に必要な設備を整えるのに費用がかかったり、人材を確保するのが大変だったりと苦労の連続だったそうです。また、短期滞在手術の患者さんを集めるために行っているBtoBの活動についてもお話しいただきました。
短期滞在手術以外のウリ
短期滞在手術以外のウリについてもご紹介いただきました。スタッフは自ら、患者さんに名前を覚えてもらう運動を行ったり、他院の接遇講師に呼ばれたり、医療接遇について周囲から高評価を得ているそうです。また、3つの医院が近くに位置しているため、時間的・空間的にカバーした医療提供ができる点も地域での存在感アップに繋がっています。そして、他の耳鼻咽喉科ではまだ取り組んでいるところが少ないような、新しい治療も積極的に取り入れているという点もウリになっています。
「ウリ」を創出するためのヒントとは
ウリはどのようにして作っていくべきなのか、その考え方のコツを教えていただきました。ウリとは、患者さんがまた来たいと思う理由であり、他にはない優れた点のことです。また、患者さんの満足感を上げるためには、常に”期待を上回る”ということを意識すべきです。さらには、患者満足度の影響因子は「医師の振る舞いや対応」が65%を占めているため、診療時に患者さんの感情に寄り添うことが大切になってきます。
これからの開業医が実践するべきこと
今後開業医が意識するべきことについて伺いました。開業医は患者さんに対して何を提供するかも大事ですが、どう提供するかという部分も意識していかなければなりません。クリニックや医師に良い感情を持ってもらうためには、第一印象を良くしたり、良い体験をしてもらうことが大切で、良い感情を持ってもらえると信頼が生まれ、それが治癒する力にもなります。また、職員満足度(ES)が上がると顧客満足度(CS)も上がるという点にも留意して、スタッフへの教育も継続的に行うことがポイントです。